お医者さんの知恵袋
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■血液をさらさらにする薬(アスピリン)と胃潰瘍■

岩波胃腸科外科医院
TEL: 045-932-3806
院長  岩波 正英
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今や日本の65歳以上の人口比率は約23%と急速な高齢化が進んでいます。それと同時に、脳梗塞や心筋梗塞といった動脈硬化性疾患の一次予防として“血液をさらさらにする薬”の代表であるアスピリンや変形性膝関節症や腰痛症などに対するいわゆる“痛み止め”としてのNSAIDsなどが、益々汎用されるようになりました。

確かに動脈硬化性疾患の治療成績は近年格段と向上しておりますが、逆に消化器系の分野ではこれらの薬による消化性潰瘍の高率な発症が問題となっています。施設によって多少のばらつきがありますが、長期でアスピリンを服用している方の約15〜20%に消化性潰瘍が発症しているとの報告があり、そのうち約30%が輸血や止血術が必要な重症出血性潰瘍があるそうです。

米国では約2万人の人がこれらの合併症で亡くなっており、社会問題にもなっています。また潰瘍以外のびらんなどの胃粘膜障害は約60%にものぼっており、アスピリンとNSAIDsを併用するとそれらのリスクが相乗的に増大するともいわれています。また、これらは必ずしも自覚症状があるわけではなく、約40%の方は無症状でたまたま内視鏡検査が施行され、発見に至っているようです。

どうやら“血液さらさらの薬”や“痛み止め”などを長期服用せざるをえない方は積極的に内視鏡検査を受ける必要があるようです。最近では経鼻内視鏡も普及し、比較的苦痛や身体への侵襲が少なく検査できます。

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