お医者さんの知恵袋
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■かかりつけ医と認知症高齢者の支援体制■

よしだ健康ケアクリニック
TEL: 045-988-0775
院長  吉田 保男
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 東京都全域を対象としたある疫学調査で「認知症」と診断された対象者の家族が気づいた日常生活上の変化を頻度順に示すと次のようになります。
  • 同じことを何回も言ったり聞いたりする
  • 財布を盗まれたと言う
  • だらしなくなった
  • いつも降りる駅なのに乗り過ごした
  • 夜中に急に起き出して騒いだ
  • 置き忘れやしまい忘れが目立つ
  • 計算の間違いが多くなった
  • 物の名前が出てこなくなった
  • 些細なことで怒りっぽくなった

 上記の1項目のみで認知症を疑うのは難しいでしょうが、問題となるのは家族がいなければこのような変化にも気付かれにくいことでしょう。65歳以上の4割が単身あるいは高齢者世帯であり、その割合がますます増加することになれば家族による認知症発見の機会はさらに難しくなっていく状況にあり得ます。

 最近行われた首都圏と関西圏の20歳以上の2000人を対象とした認知症に関する意識調査の結果では33.8%が家族や親戚・友人などの身近にいる人がぼけてきたのではないかと気付いています。そのうち家族・友人・専門医・かかりつけ医などのいずれかに相談した人は42.4%、相談していない人は57.6%でありました。まだまだ相談相手としては少ないですが地域医療ではかかりつけ医による認知症の早期発見は非常に重要な役割を担っています。認知症の相談窓口としては医療関係ではほかに総合病院等の神経内科や老年科を開設する窓口や物忘れ外来でも相談に応じてくれます。介護と関連する福祉関係の窓口として身近な生活圏ごとに設置される地域ケアプラザ等があります。

 かかりつけ医は認知症早期段階での発見・気づきにより必要により専門医療機関への受診誘導を行ったり、一般患者として日常的な身体疾患や健康管理なども行い、さらに地域の認知症介護サービス諸機関との連携を行っています。また要介護認定の際に使われる「主治医意見書」作成にも大変重要な役割を果たしています。

 高齢者が住み慣れた地域で安心してその人らしい生活を継続することができるように医療・介護サービスをはじめさまざまな連携がかかりつけ医の働きで活用されることが可能となっています。

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