お医者さんの知恵袋
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■ピロリ菌って聞いたことありますか?■

みどり野診療所
TEL: 045-981-7222
院長 依田 雅子
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正式にはヘリコバクターピロリ菌と言い、ヘリコプターのような鞭毛を持つ、らせん状の細菌なのでこのような名前がついています。この細菌が胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因であることが分かってきました。胃の中は胃酸が強く、細菌は住めないと長年考えられてきましたが、ピロリ菌は自分でアンモニアを作り、胃酸を中和して胃粘膜の粘液の下にもぐりこんで生存しています。

発見したのはオーストラリアの二人の研究者。胃炎の人の胃粘膜に細菌がいることが分かり、ふつうの細菌のように48時間培養して確認しますが、なかなか上手くできません。そこにたまたまイースター(復活祭)の休日が入り、5日間もたってしまったことで培養に成功。それは今まで見たこともない菌で、世界中の注目を集めました。その後、研究者の一人が自らこの菌を飲んで人体実験をし、10日後に胃炎が起こることを証明。

日本では40歳以上の7〜8割の人の胃内にいるといわれています。若い人ほど陽性率が低く、ピロリ菌がいてもたいていの人は症状がありません。症状には胃潰瘍、十二指腸潰瘍があり、陽性の人は潰瘍が再発しやすいので、除去するための薬を内服したようがよいでしょう。これは除菌療法と言い、2種類の抗生剤と、胃酸の分泌を抑える薬を一週間内服します(保険適用/ピロリ菌がいても胃炎だけで潰瘍のない人は適応外)。ピロリ菌がいるかどうかは、胃内視鏡で調べたり、呼気中のアンモニア濃度・血液・便・尿などの検査でも分かります。また、ピロリ菌は胃癌の原因の一つとも言われていますが、現在研究中です。

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