お医者さんの知恵袋
image ■ストレス社会が生み出す病気■
「過敏性腸症候群」

岩波胃腸科外科医院
TEL: 045-932-3806
副院長 岩波 正英
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 昔と違って現代社会は、物質的、情報的に豊かさにあふれています。と共に昔には感じられなかったであろう余計なストレスが現代社会に生きる人々に覆いかぶさってきている気がします。 このストレスが原因の病気の一つに過敏性腸症候群があります。これは、ストレスにより、腸の運動が異常になり、下痢や便秘の便通異常や、腹痛を引き起こします。又このような症状の発生により不安感が増大し、さらにストレスを増強させてしまいます。

 一説には、胃腸病を主訴として来院される患者さんの25%程度が本疾患ともいわれ、最もポピュラーな消化器病の一つですが、必ずしも医療機関に受診するとも限らない病気の一つでもあるそうです。自己判断で市販薬を飲んで自己治療をしている人が7割もいるともいわれています。一般に過敏性腸症候群の診断は、血液検査、腹部レントゲン検査、胃、大腸内視鏡検査や腹部エコーなどで、器質的疾患(炎症性腸疾患や癌など)を慎重に除外した上で、特徴的な兆候(ローマ基準やNIH基準)により診断します。また治療方法としては、胃腸の薬を中心とした薬物療法が主体ですが、精神的ストレスが強い場合には、必要に応じて抗不安剤、抗うつ剤、自律神経調整薬などを腸の薬と共に併用します。

 ですが、この病気は慢性の経緯をたどることが多く、完全に治癒にいたることが困難である場合も多々あるため、原則としては、患者さんの訴える症状を軽減することにより、社会生活に支障がないように良好なQOLを得ることに主眼をおいて治療しているのが現状でもあります。

 自己判断の自己治療とは時に大きな危険性を伴うこともあります。まずは、専門の医療機関に受診して器質的疾患を除外した上できちんと診断していただき、適切な治療によって心身ともに健康な体をつくっていきましょう。

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