お医者さんの知恵袋
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■家族介護者にはレスパイトが必要です■

よしだ健康ケアクリニック
TEL: 045-988-0775
吉田 保男
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 「レスパイト」のもともとの辞書的な意味は延期とか休息、休養の意味ですが介護関係者のなかでは特別な意味に用いられています。「レスパイトケア」とは難病の子供を抱える家族や、高齢者などの介護をする家族に対して不安を取り除き、一時的にケアを代理し、休息を与える家族支援の意味で用いられ、また施設などで被介護者を一時的に預かるサービスは「レスパイトサービス」と言われています。日本のように高齢者社会が進むと老老介護の家族が増え被介護者とともに高齢介護者の健康管理が非常に大事になっています。

 事例1 在宅医療は受けられてるAさんは高度のアルツハイマー型認知症の女性です。ほぼ寝たきり状態で言葉によるコミュニケーションは全く取れない状態で自分では寝返りもできず食事摂取もやはりご高齢の旦那さんの介護に支えられ、ようやく生活出来ている状態です。ある日ご主人のフラツキが強くなったため病院を受診すると脳梗塞と診断され即入院となり、そのためAさんもすぐに入院が必要となりました。その後ご主人は治療により退院し家での介護を再開されています。しかし今後の介護負担を考えてAさんの特養老人ホーム等の施設入所が検討されています。

 この事例の様に老老介護では介護者の健康状態によって被介護者がの在宅医療の継続が可能かどうか決まってくることになり、まさに一身同体です。

 事例2 Mさんは90歳になるおばあさんですが息子さんと二人くらし。息子さんには腰痛の持病があって車椅子に移乗させたりする介護もなかなか大変です。おばあさんも「元気すぎて困る」と他人事の様にお喋りします。息子さんの手厚い介護に関わらずMさんはたまに世話している息子さんを蹴ったりして自分なりに介護に抵抗してみせます。本当に元気すぎて困るのはいったい誰なのでしょう?Mさんはデイサービスに頻回に利用され介護者も日中はそれなりに休息が得られていますがまとまった休みがなかなか取れず誰のなんのための人生なのか介護者の生活の質も問題となっています。

 介護保険制度により介護者の負担は軽減されておりますが介護者の健康状態の管理や生活の質のレベルを上げるようにはなっていません。周囲の介護サービス関係者やかかりつけ医含め地域の在宅医療関係者たちが介護者のレスパイトの必要性を忘れない様にしなければなりません。

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