お医者さんの知恵袋
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■カンピロバクターによる食中毒■

長津田厚生総合病院
TEL: 045-981-1201
内科 藤田 裕次
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カンピロバクターという細菌による食中毒をご存じだろうか。通常の細菌性食中毒と違って初夏と秋にピークがある。冬場でも報告が増えている。

牛のレバー、鶏肉が感染源として重要で、ある食品検査では鶏肉(生肉)の汚染率は32%と報告されている。空気中に長時間さらすと死滅するため、逆に新鮮な鶏肉ほどたくさんの菌が生き残っている可能性が高い。サルモネラ菌などの菌が感染するのに1万から1億個の菌数が必要なのに比べ100から1000個で感染が成立してしまう。 鶏肉を調理した包丁やまな板を介して菌が生野菜に移行して食中毒を起こすことも多い。熱、乾燥には弱いので(60℃、10分で死滅)、十分に火を通すことが重要である。症状も特徴があり、下痢、発熱、嘔吐、腹痛、血便の他、頭痛、めまい、筋肉痛なども起こすことがある。潜伏期間も4日から7日と長く、患者さんが感染機会を覚えていないと、 病初期はインフルエンザや感冒と間違えることもある。軽症なことが多く、有効な抗生物質もあるので、適切な治療で治るがまれに感染後2〜3週間後にギランバレー症候群(自己免疫性神経障害で手足や呼吸筋が数ヶ月にわたり一時的にマヒする)を発症したり、最近では過敏性腸症候群の原因の可能性が指摘されているなど、少し変わった細菌である。

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