お医者さんの知恵袋
image ■―老医師の反省■

(医)有仁会 島津メディカルクリニック
院長 島津 義臣
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梅雨が明けました。夏がやって来るとふと私―老医師―は、物の乏しかった戦時中を想い出し、翻って物の溢れた現況にとまどいを感じます。人間は不幸を体験しなければ幸福感がわからないのではないか。街では半裸に近い姿の若い女性が闊歩したり、電車の中では人前も憚らず一心にお化粧をしたりしています。私は40年近く学校医をやっておりますが 最近の小学校4年生位から上の女生徒が身体検査の時、医師の前で容易に上半身を見せなくなっております。(一部では女医先生を頼んでいる所もある様ですが)之は一寸考えられます。学校での内科検診では単に聴診器で肺や心臓の様子を診ているだけでなく、同時に児童、生徒の集団の中での態度、勿論顔の色、つや、脊柱異常、皮ふの状態、近頃では特に虐待の痕跡等に気をつけているし更に出来れば各人の心の悩みまで聞ければナァ等と考へつつ実施しております。人前で裸になる事に羞恥心を抱く心情についてはむしろ戦後日本の失はせたくない美徳の一つであると思っていますが、刻と場所並びにその事象の真意については、誤りのないように教え指導する事が大人―老人―の責任であるとつくづく反省している昨今です。
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